ミトコンドリアとは

子供にDNAを正しく伝達するためにとても重要な存在

ミトコンドリアとは

ミトコンドリア(mitochondrion)は体のほとんどすべての細胞の中に存在する小器官です。

ミトコンドリアは細胞のエネルギーを生産するためにATP回路というエンジンのような役割を持っています。

またミトコンドリアにはDNAが存在しています。
このミトコンドリアDNAは母からのみ子供に伝達される母系遺伝子です。

女性にとってミトコンドリアを健康に保つことは、将来の子供にDNAを正しく伝達するためにとても重要なミッションになります。

このミトコンドリア、エンジンを動かすのにガソリンがいるように、ミトコンドリアも増殖、活性化するための電子の供給にミネラルや酸素分子を利用しています。

重要な細胞には約10万個というミトコンドリアが存在しますが、生活習慣や加齢に伴って、ミトコンドリアは減少します。

しかし逆に細胞分裂して増殖することもできるのです。

年齢とともに下がるART(生殖補助医療)の妊娠率

こちらに示すのは日本産科婦人科学会が発表した、2020年のARTすなわち体外受精や顕微受精の妊娠率・生産率・流産率のグラフです。

35歳を超えると妊娠率・生産率がなだらかに低下しはじめ、40代になるとさらに急激に低下しています。同様に流産率においても35歳あたりからなだらかに増えはじめ、40代になるとさらに急激に増加しはじめています。

その理由として指摘されるのが、加齢と生活習慣による卵子・精子の質の低下です。

なぜ卵子・精子の質が低下するのか、それは卵子・精子のエネルギー源であるミトコンドリアが加齢や生活習慣により減少し弱体化しているからです。
日本産科婦人科学会ARTデータブック2020年引用
https://www.jsog.or.jp/activity/art/2020data_202208.pdf

卵子の質、それはミトコンドリアの質

卵子は染色体の集合体である核と細胞質とでできています。

健康な卵子の細胞質には10万個ものミトコンドリアが存在し、排卵から受精、胚分割、着床までのエネルギーをまかなっています。

精子の質にもミトコンドリアが影響する

精子には卵子とは違い中間部にわずか50〜75個ほどのミトコンドリアが存在するだけです。

精子は卵子に辿り着くだけのエネルギーがあれば良いこと、卵子とは違いおよそ84日サイクルで新しく生まれ変わることがその理由です。

それでは精子の質にミトコンドリアは影響しないのかというとそうではありません。
ミトコンドリアは卵子に辿り着くための強力なエネルギーをまかなっていることに加え、質の悪い精子をおよぼす原因とされる、スーパーオキシド(超酸化フリーラジカル)の発生に影響しているからです。 ミトコンドリアは食事から摂った栄養素と酸素により電子伝達という仕組みを使ってエネルギー(ATP)を作り出していますが、その過程において漏れ出た電子により酸素分子が電子還元されスーパーオキシド(超酸化フリーラジカル)を形成してしまいます。

実際の不妊症患者さんの精子を調べると、こうした活性酸素の値が高いということが報告されており、ミトコンドリアの異常により過剰なスーパーオキシドが形成されることが原因ではないかと推測されています。

まずはミトコンドリアを増やすこと

ミトコンドリアの減少と弱体化は、卵子・精子の質の低下をもたらします。

質の悪い卵子・精子から得られた受精卵は、分裂した大きさが不均一で断片フラグメントの多いグレードの低い受精卵となってしまい、着床することができなくなってしまうのです。

しかしミトコンドリアはちょっとした改善で数を増やすことができます。

ミトコンドリアを増やすには、ミトコンドリアに危機を与えることです。
負荷の高い運動や、空腹感、寒さなどの刺激を与えると、ミトコンドリアはエネルギー不足を感じ取り増えていきます。

また水溶性核タンパクを摂取することにより、ミトコンドリアの質を高めることができ、さらにミトコンドリアが増えていきます。

そしてミトコンドリアの数が増え電子伝達効率も改善されると、エネルギー効率が高くなり、卵子・精子の質も改善していくのです。
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